安納芋は普通のサツマイモとどこが違う?
ほくほく甘いサツマイモが好きな女性は多いものでしょう。サツマイモの中でも特に甘いとされるのが安納芋です。そもそも安納芋はなぜ甘いのでしょうか?安納芋の特徴やほかの種類との違い、そして美味しい食べ方などを紹介します。
安納芋はサツマイモの中でも糖度が高い!
安納芋は種子島産の芋であり、糖度が高いことでも人気です。安納芋の甘さの秘密は、実は芋が生まれ育った種子島という場所に関係があるのです。 種子島は九州の最も南に位置する温かい島で、冬でもあまり寒くはありません。季節に関わらず、平均気温は19℃くらいです。 そんな種子島では、芋を畑に置いておける時間が長くなります。ほかの地域では冬場は寒くなって芋が腐ってしまうので、だいたい10月までには収穫するのです。けれども種子島の気温は、冬でも12℃前後です。温かいので12月まで芋を畑に置いておいても問題ありません。 畑に長く置いておくことで、芋のでんぷん量が増えていきます。さらにでんぷんいっぱいの芋を1ヶ月ほど12℃~15℃の場所に置いておくと、今度はβアミラーゼと呼ばれる酵素が活性化するのです。 このβアミラーゼには、でんぷんを糖へと変える働きがあります。長く畑で育ってたくさんのでんぷんが蓄えられた安納芋は、さらにβアミラーゼの力で糖度がアップして甘くて美味しくなるというわけです。 安納芋の糖度の高さは、まさに種子島の気候が作った恵みと言えるでしょう。
他の密芋との違いは?
甘く密が入っている芋を密芋と呼び、紅はるかや紅まさりなどの種類があります。安納芋にも、安納ゴールドや安納紫などの品種が見られます。 これらの密芋と安納芋の違いとしてまず挙げられるのは、その形です。安納芋は縦に長いというよりもどっしりと幅が広くてコンパクトな団子のような形のものが多いでしょう。一方紅はるかなどは、細長くてスマートな形です。 また安納芋はほかの密芋に比べると、粘り気がありねっとりした感じがあります。とても柔らかくて、スプーンですくってもとろけるようです。料理に使うのであれば、安納芋は裏ごしして作る芋きんとんやスイートポテトに向いており、天ぷらなどは紅はるかなどのほうが形が崩れないので適しているかもしれません。食感も、紅はるかや紅まさりは「ほくほく、しっとり」していて、安納芋は「ねっとり」しています。安納芋は濃厚な甘さも特徴と言えるでしょう。加熱すると40度もの糖度になります。 次に色に関しても違いが見られます。安納芋はややオレンジがかっている黄色さです。ほかの密芋はオレンジ色というよりは小判色に近く、色が薄くて白っぽいものもあるでしょう。
安納芋の美味しい食べ方
でんぷんは、加熱するとβアミラーゼによって麦芽糖へと変わり、甘みが生まれます。この作用を活用することで、安納芋をより甘く美味しくいただくことができるでしょう。 安納芋は蒸し器やオーブンなどを使って、じっくりと加熱するのがベストです。中には早く食べたいからと、電子レンジで加熱する人もいるかもしれません。けれども安納芋を加熱する際は、50~60℃くらいの温度で時間をかけて温めることでβアミラーゼが活発に働きます。電子レンジのようにスピーディーな加熱では、βアミラーゼの酵素が活躍する場がないというわけです。 おなかがすいていても、美味しく食べたいのであれば時間をかけて加熱して、酵素を活性化させましょう。石焼き芋が美味しいのは、石窯で時間をかけて芋を加熱していることにポイントがあるのです。 また安納芋は食物繊維やビタミンも豊富です。腸内環境が整ってお通じも良くなるので、便秘に悩む人にもおすすめの食品と言えます。肌の調子も良くなることでしょう。 加熱してそのまま食べるのは勿論、柔らかさを活かして、芋きんとんやスイートポテトやコロッケなどにしても美味しくいただけます。美容と健康のためにも、工夫して毎日の食卓に取り入れてみましょう。