安納芋の安納紅芋について
安納紅芋とは
安納紅芋と安納こがねはどちらも安納芋の種類です。 その2つのうち、一般的に安納芋と呼ばれるサツマイモは、紅芋の方です。 紫芋と共に種子島を代表する品種であり、焼くとクリームのようにねっとりとした食感になるのが特徴です。 生の状態でも糖度はなんと16度もあり、じっくりゆっくり熱を加えると最高で40度前後にもなります。 こんなに糖度があるのにも関わらず、一般的なサツマイモよりもカロリーが低いというのが魅力の一つで、スイーツ代わりに食べる人もたくさんいます。 ダイエットにも効果があると言われていて、食事の10分前に食べるとポテトプロティンという成分によって満腹中枢が刺激され、食事の量を抑えることができるので、 この食べ方はダイエットをする女性に注目されています。 食物繊維が豊富で、ミネラルやビタミンも多く含んでいます。偏りがちな栄養素をしっかりと補うことができる素晴らしい食物の一つですね。
見た目や味の特徴
安納紅芋の皮の色は紅色で、一般的なサツマイモと同じような色をしていますが、肉食部分は黄色強めのオレンジのような色をしているのが特徴です。 一方、安納こがねの皮は白っぽい色をしています。安納紅芋の中で表皮が白いタイプのものが生まれ、それを選抜育成していったものが安納こがねです。 皮の色は違いますが、肉食部分は濃いクリーム色から黄色の中間ぐらいのものや、オレンジに近い色のものもあるので、紅芋とよく似ています。 どちらも非常に甘みが強いのですが、紅芋よりこがねの方がしっとり感が強いです。紅芋はねっとりクリーミーですが、こがねはしっとりねっとりという食感です。 また、甘さもこがねの方が強いという違いもあります。ただ、これは熟成度によって異なってくるので、甘さの強さは一概には言いきれません。 紅芋もこがねも、どちらも非常に甘くスイーツのようなサツマイモであることは間違いありません。
安納芋とはどのような芋なのか
安納紅芋も安納こがねも、育種登録上、鹿児島県の所有であり、種子島だけに限定許諾された品種です。そのため、他の地域では栽培が認められていません。 テレビや雑誌など多くのメディアで、「幻の安納芋」といわれていますが、実は種子島では年に数千トンも生産されている品種なのです。 ですが、工業用甘藷より栽培や収穫した後の扱いが難しいため、単位面積あたりの収穫量が少なくなってしまうのが現状です。 種子島でしか栽培が認められていなかった安納芋ですが、この制限は平成25年までとなっており、今は各地で栽培がおこなわれています。 また、在来品種には以前から規定が無かったため、同様のものは他の地域で栽培しています。 紅芋もこがねもどちらも9月下旬から10月初旬ごろに収穫が始まります。ちなみに、苗の植え付けはだいたい5月頃です。種子島は、南、西風が多く吹く地域です。 なので、種子島の中でも、南、西海岸寄りに面した畑で栽培された安納芋は、ミネラルを多く含んだ潮が西風によって降り注いでくれるため、より甘く美味しいものが育ちます。 栽培されている場所によって味が異なるのも、安納紅芋や安納こがねの特徴ともいえますね。 収穫後、3~4週間程度熟成させます。この熟成期間が甘さを引き立ててくれるので、非常に大事な期間です。収穫直後よりも、熟成後の方が断然美味しくなります。 しっかりと熟成させた後、いよいよ出荷されるので、旬は11月から1月あたりです。それ以降は、定温管理されたものが市場に出回ります。 自宅で、購入した芋を保存する際は、注意しなければならない点があります。それは、絶対に冷蔵庫へ入れないようにすることです。 なぜなら、保存温度は13~15度が適しているからです。これ以上低い場所で保存すると傷みが早くすぐダメになってしまいます。 13度以上で保存しましょう。保存するときは、新聞紙を巻いておくと良いでしょう。冬場などは外に置かないように気を付けてください。寒さに非常に弱い品種です。 もし長期間保存したい場合は、しっかりと火を通してから冷凍保存するのが良いでしょう。焼いた後ラップなどに包んで冷凍保存しておきましょう。これでいつでも美味しく食べられることができます。 食べる時は、じっくり焼くということが美味しくなるポイントです。上手に焼くと糖度が40度前後にまで上がるのですが、これは芋のでんぷんとそれを甘みに変える酵素が含まれており、 この酵素は65~75度で一番良い働きをするからだと言われているからです。なので、この温度を長い間保つことができれば、最高に甘さを引き出せた焼き芋が出来上がります。 生のままでも十分糖度が高い品種ですが、ゆっくり火を通して最高潮まで上がった糖度を思う存分味わうには、この焼き方が非常に大切だということをしっかりと頭に入れておきましょう。 安納芋ならではの美味しさを堪能するなら、やはり焼き芋がおすすめですが、ペースト状にしてお菓子やパン作りに使っても、もちろん美味しく仕上がります。色々な方法で味わってみてください。